農産物の流通の現状 有機農業辞典
農産物の流通の現状
生産者-農協-経済連-全農-中央卸売市場-中卸業者-小売店-消費者
という流通経路をたどり、生産者の顔が見えなくなっているのです。
「先取り」-スーパーなど量販は、前の晩 セリにかけられる前に荷を引き取ることをいいます。
「予約相対取引」-創業祭や大売出しは数ヶ月前から準備され数量もわかっているから市場を通して契約することをいいます。
大田市場の約70%が「先取り」・「予約相対取引」なのです。
セリそのものが形骸化し機能しなくなっているのです。
つまり、青果市場そのものが存在を問われているのが現状です。
生産地安・消費地高の傾向とは?
生産地安・消費地高の傾向がますます強まっています。つまり流通経費に食われて生産者の受け取り分は年々少なくなってきているのです。
平成8年11月の
生鮮野菜等の小売価格構成比(平成8年)(単位:%)
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生産者 集出荷 卸売 仲卸 小売
受取価格 経費 手数料 マージン マージン 小売価格
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レタス____30.7_____15.8____4.3______6.6_____42.6______100.0
だいこん__25.2_____14.4____3.7_____19.7_____37.0______100.0
きゅうり__47.8______7.6____5.25____10.7_____28.7______100.0
トマト____37.7_____11.3____4.6______9.7_____36.7______100.0
みかん____42.1_____12.2____4.1______10.2____31.4______100.0
りんご____46.9_____13.2____4.5______6.4_____29.0______100.0
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資料:農林水産省「青果物流通段階別価格形成追跡調査報告」を基に推計。
注: 1.生産者受取価格は、生産者が行った選別、包装等の費用を含む。
2.集出荷経費は、集出荷団体が集出荷に要した経費である。
3.本調査は一定時点における事例的調査であり、必ずしも調査品目の全国的な流通
実態を表すものではない。
野菜の姿をした流通経費とサービス料なのだ。これでは生産者は苦しくなっています。
地元産志向の高まり!
消費者の地元志向の高まりがあります。
生産者の直売所は、新鮮な農産物が手に入り消費者に人気が高くなっています。生産者の受け取り額は高く、消費者の支払う額はより少なく取引されているのです。すぐ近くのスーパーも安売りの八百屋もあるのにわざわざ消費者は足を運ぶ、現在の生産流通システムが地元消費者のニーズにこたえていないことの証明ではないでしょうか。
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